技術コラム

プラスチック金型トラブル「成形サイクルの長期化」の原因と対策方法

2024.03.26

「成形サイクルの長期化」とは?

プラスチック射出成形における成形サイクルとは、射出成形プロセスが開始してから終了するまでの時間、サイクルのことを指します。

つまり、プラスチック射出成形において「成形サイクルが伸びてしまう」ということは、一回の射出成形にかかる時間が長くなってしまうことを意味し、生産性低下に直結してしまいます。

成形サイクルの長期化」の原因

成形サイクルが伸びてしまう最大の原因は、金型内の冷却回路が錆や堆積物により詰まってしまい、冷却効率が低下することです。

金型への樹脂充填後は、必ず冷却が必要となります。この冷却効率が低下してしまうと、冷却に時間がかかり、成形サイクルが伸びてしまいます。

またそれ以外にも、金型内部において一部だけ肉厚の場合は、金型内で温度差が生じてしまい、結果として冷却に時間がかる場合があります。

その他、冷却回路の最適化がなされていない場合には、冷却回路そのものを見直すことで、冷却時間を短縮でき、結果的に成形サイクルを縮めることができます。

「成形サイクルの長期化」の対策方法

「成形サイクルの長期化」の対策方法としては、

  1. 冷却回路洗浄による異物除去
  2. 金型の一部部分だけ熱を帯びる場合、熱伝導率の良い金型材料を使用

の主に2点あります。

①冷却回路洗浄による異物除去

温調配管内に発生した錆や、冷却水に含まれる不純物が堆積した層などを除去することで、冷却効率を改善することができます。もっとも一般的な方法としては、洗浄による異物除去です。

その他、ドリルで直接的に異物を除去する方法もございます。

②金型の一部だけ熱を帯びる場合、熱伝導率の良い金型材料を使用

成形品の肉厚部が局所的に熱を帯びてしまうことで、その分、冷却時間を余計に要してしまうことがあります。

この問題を解決するには、熱伝導率の良い材料を用いるという方法が挙げられます。

プラスチック金型に使用される鋼材(材質)としては、鋼(スチール)が一般的で、通称プラスチック金型用鋼と呼ばれます。この鋼は熱伝導率が高いという特性を持ち合わせています。

>>「プラスチック金型に使用される鋼材(材質)とは?」について詳しくはこちら

その他、通常の鋼と比べても更に熱伝導率が良いとされるのが、ベリリウム銅やハイクル材と呼ばれる材料です。このような材料を使用することで、金型の一部にだけ熱が帯びてしまう問題を解決することができます。

  

プラスチック金型の「成形サイクルの長期化」の問題なら、当社にお任せください!

当サイトを運営する三恵金型工業株式会社は、当サイトを運営する三恵金型工業株式会社は、金型修理の実績や成形不良対策のノウハウを豊富に持っております。成形サイクルが伸びてしまった金型の修理はもちろん、今後そのような問題が発生しない金型設計のご提案まで当社で対応させていただきます。

成形サイクルをはじめとするプラスチック金型のトラブルにお困りの際は、お気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

  • この記事の執筆者
  • 野中啓志(設計課)

    私は兵庫の出身ですが、石川県で新婚生活を始めることになりグループ会社が石川にある、三恵金型工業への就職を決めました。設計に興味はありましたが、未経験。それでも採用し、ゼロから教えてくださった先輩方には感謝しています。設計は実際にやらなければ身につかないので、仕様書に基づく設計は入社直後からやっていました。現在は設計課に籍をおきながら、「多段式射出成形金型」の試作型製作にも関わっています。社運がかかった開発なので、自然と気合が入ります。