技術コラム
スタックモールドとは?スタックモールドのメリット・デメリットをご紹介!
スタックモールドとは
スタックモールドとは、一つの金型内に、キャビティとコアをそれぞれ2つ持ち、少ない型締め圧力で、多数個取りを実現する金型構造です。
通常の金型はキャビティとコア部分は1つずつのため、スタックモールドは通常の金型の倍近く製品を取ることができます。下図のようにホットランナーが背中合わせとなるような形状で、左右対称にキャビティとコアが一セットずつ存在しています。
スタックモールドのメリット
次にスタックモールドを使用することでのメリットをご紹介します。
①高い生産性
上記の通り、一つの金型内に、キャビティとコアがそれぞれ2つあるため、金型一面で二面分の製品取りができます。
そのため、元々多数個取りの場合は、スタックモールドを使用することでさらに倍以上の製品を取ることができます。また、通常の金型では多数個取りできないハンガーなど大きめの製品についても、スタックモールドでは多数個取りが可能です。
このような理由から、スタックモールドは通常の金型よりも高い生産性を実現することができます。
②コストダウン
成形機のクラスを決める要素である「投影面積」が約半分となるため、製品成形コストを削減することができます。
特に大量生産する際に、コストメリットが生まれます。比較的、厚みが薄い大量製品に対して有効とされています。
スタックモールドのデメリット
スタックモールドを使用することのデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
①金型設計が難しく、専門知識や技術が要求される
スタックモールドの設計には高度な技術と専門知識が必要です。
基本的な金型と比較して、樹脂流路が長いうえ、キャビティー部分のセンターに樹脂経路が通り、左右対象に樹脂を流し込む必要があります。
このような形状の場合、TVフレームのような中央に穴がある形状または多数個取り/セット取りとして金型センターを避ける配置にする必要があります。
また、エアバルブ式のホットランナーでは、ノズル後部に外部駆動装置(エアシリンダ)が必要となるため、基本的に背中合わせのゲート設定が難しく、ゲート位置の制約やマニホールド形状が複雑になるといった課題も出てきます。
このように、スタックモールドは金型設計が難しく、専門的知識や技術が要求されます。
②通常の金型よりメンテナンスの手間がかかる
一般的な金型も定期的なメンテナンスは必要ですが、スタックモールドは複雑な形状、機構をしているため、メンテナンスの手間がかかります。
スタックモールドのメンテナンスには高い専門性が求められるため、自社で対応することが難しいこともデメリットとして挙げられます。
③専用の大型成形機を導入する必要がある
スタックモールドは専用の大型成形機を必要とするケースが多いです。キャビティとコアが増えた分、成形機に厚みが生まれ、機構も複雑になります。そのため大型成形機が必要となり、工場内に導入するためのスペースを確保しなくてはなりません。
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三恵金型工業の4面スタックモールドには以下のような特徴があります。
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②設備導入コストゼロ!既存の成形機を使用可能
「多段式金型を導入するなら、成形機も新規導入しないといけないんでしょ?」
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③ランナーレスなので歩留まりが向上!プラごみ削減でSDGsに貢献
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