技術コラム

プラスチック金型の構造をご紹介!

プラスチック金型の構造とは

プラスチック金型の構造をご紹介!|プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ

本記事ではプラスチックの金型の構造について詳しく解説いたします。
プラスチック用の金型構造は大きく2種類に分類されます。

2プレート金型:射出成形機に固定される固定側 と 金型開閉時に動く可動側の2つのプレートからなる金型です。

3プレート金型:中間部に中間プレート(ストリッパープレート)が存在し、金型開閉時には固定側と可動側含め、3つに分割される金型です。

上記2種類の金型が一般的ですが、それ以外にも3プレート以上からなる金型もあります。次にそれぞれの構造についてイメージ図を交えながら詳しく解説を行います。

プラスチック金型の構造:2プレート金型とは

2プレートの金型は金型の中でも一般的な金型構造とされています。プラスチック樹脂が充填された後、金型内で冷却固化した成形品は、金型の中央付近が2つに分割されて取り出されます。(下図参照)

このとき、2プレート金型は、以下の2つの主要な部分に分かれています。

固定側(キャビティー):金型の一部が射出成形機に固定される部分です。この部分には製品の形状を形成するキャビティ(型穴)が存在しています。

可動側(コア):金型の開閉時に動作する部分です。可動側にはゲートやエジェクターピンなどの機構が取り付けられています。

2プレート金型は具体的に下記のような構造をしています。

プラスチック金型の構造をご紹介!|プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ
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金型における各部品の名称は下記の表の通りです。

名称概要
①ガイドピン金型の開閉時に可動側と固定側の位置を合わせるためのピン。
②可動側取付版金型を成形機の可動盤に取り付ける為のプレート。
③エジェクターホール成形機のエジェクタ装置でエジェクタプレートを突き上げるために、突出しロッドが通る可動取付板に開けられた穴。
④スプルーロックピンプラスチック樹脂が射出される箇所で、型開時にスプルーがスプルーブッシュから容易に離型できるよう末端部分がアンダーカットになっているピン。
⑤エジェクターピン(押し出しピン)成形品を金型から押し出して取り出すためのピン。
⑥エジェクタープレート一般的に上板と下板の2枚で構成され、成形品を金型から押し出すためにエジェクタピンやリターンピンを固定して作動させる板。
⑦リターンスプリング製品を押し出した後、スプリングの力でエジェクタプレートを元の位置に戻す役割を持つ。 
⑧リターンピン押し出されたエジェクタプレートを元の位置に戻すためのピン。
⑨冷却管(水穴)金型に樹脂が流れ込んだ際に製品を冷却または温調するために水や油を通す穴。
⑩固定側取付板金型を成形機の固定板に取り付けるためのプレート。
⑪ロケートリング金型を成形機に取り付ける際の位置決めに使用するリング。
⑫ガイドブッシュガイドピンが合わさるブッシュ。

また、2プレート金型はゲートの有無等によって更に3つに分類されます。
※ゲート:射出成型機から金型へ樹脂を流しこむための入り口部分。

①ダイレクトゲート:プラスチック樹脂を直接スプルーから成形品に流し込むため、ゲートは必要ありません。

②サイドゲート:スプルーからランナーとゲートを経由してプラスチック樹脂を注入します。この方法は成形圧力を安定させる利点や特性を持っています。

③サブマリンゲート(トンネルゲート):金型が開いた時や成形品が取り出される時にゲートが切れる特徴を持つゲート構造です。

2プレート構造のメリット・デメリット

2プレート金型は、比較的シンプルな構造を持ち、作業効率が高く、製品の形状に特に複雑さがない場合に適しています。
2プレート金型は、保守運用コストが低いというメリットがあり、プラスチック製品の量産に広く使用されており、一般的な金型の選択肢の一つとなっています。

一方でデメリットとしては、複雑な形状には不向きであるという点です。また、一部の製品ではゲート痕(成形後の残骸)が残る可能性や、一部の形状制約が生じる場合があります。

プラスチック金型の構造:3プレート金型とは

3プレート金型は、プラスチック製品を形成するために使用される金型の一種です。2プレート金型と比較して、より複雑な形状や機能の製品を作成するために使用されることがあります。

3プレート金型は、2プレート金型で紹介した固定側と可動側に加えて、中間プレート(ストリッパープレート)という部分の3つで構成されます。

中間プレート(ストリッパープレート):固定側と可動側の間に配置され、金型開閉時に動作する部分です。ストリッパープレートには、製品の形状に連動するピンや部品が取り付けられ、金型開閉時にキャビティと製品を分離します。

3プレート金型は具体的に以下のような構造をしています。

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3プレート金型の動作は、射出成形機によって制御されます。溶融プラスチック材料が射出成形機から金型内のキャビティに注入され、冷却されて固まります。その後、金型が開かれ、ストリッパープレートが押し出されて製品が取り出されます。

3プレート構造のメリット・デメリット

3プレート金型は、特に複雑な形状や凹凸のある製品を作成することができます。ストリッパープレートの動作により、製品の形状に合わせた形状変化や複数のゲートの設置などが可能になります。

一方で、3プレート金型は2プレート金型と比較して構造が複雑であり、コストや製造工程の複雑さが増すことがデメリットです。金型内の要素が増えることにより、金型の動作や製品の形成において新しい調整や制約が生じる場合があります。

したがって、製品の要件や量産計画に応じて適切な金型の選択が必要となります。

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この記事の執筆者

  • この記事の執筆者
  • 野中啓志(設計課)

    私は兵庫の出身ですが、石川県で新婚生活を始めることになりグループ会社が石川にある、三恵金型工業への就職を決めました。設計に興味はありましたが、未経験。それでも採用し、ゼロから教えてくださった先輩方には感謝しています。設計は実際にやらなければ身につかないので、仕様書に基づく設計は入社直後からやっていました。現在は設計課に籍をおきながら、「多段式射出成形金型」の試作型製作にも関わっています。社運がかかった開発なので、自然と気合が入ります。

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