技術コラム

プラスチック射出成形用 共取り型(セット取り金型)とは?

今回は、射出成形金型(プラスチック金型)の一つである共取り型について解説します。

共取り型(セット取り金型)とは?

共取り型とは、一つの金型で異なる種類のプラスチック部品を成形することができるプラスチック金型です。一度に、複数種類の成形品を”セット”で生産することができることから、セット取り金型と呼ばれることもあります。

共取り型と多数個取り型の違い

共取り型とよく比較されるのが、多数個取りの金型です。

共取り型と多数個取り型の違いは、
・共取り型:一型で、異なる種類の部品を成形できる
・多数個取り型:一型で、同一部品を複数成形できる

という風にまとめられます。

なお、両者は英語で、
・共取り型:composite mold
・多数個取り型:multi-cavity mold
と言います。

多数個取り型は、文字通り、取り個数(number of cavity)が多く、数個取りの場合から、小物であれば100~200個取りというものまであります。

共取り型のメリット・デメリット

共取り型のメリットは、圧倒的な生産性・省スペースです。

例えば、3種類のプラスチック部品A、B、Cを生産する場合は、通常であれば3台の成形機と3つの金型が必要になります。もし成形品取り出しやゲートカットの工程を自動化・省人化していない場合は、その分の人員も用意しなければなりません。

しかし、共取り型であれば、一型で3種類の部品を生産することができるため、上記すべてが不要になります。したがって、空いた成形機を他の生産に充てることができます。

一方で、共取り型には、
・金型が大型且つ複雑なケースが多く、イニシャルコストが大きい
・万が一、いずれかの成形品の必要数が減少した場合にムダが発生するリスクがある

といったデメリットもあります。

「プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ」の金型修理メンテ・改造サービス

当サイト「プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ」を運営する三恵金型工業は、富山県のプラスチック金型メーカーで、金型設計・製作はもちろん、洗浄・メンテナンス・修理・改造も行っております。

延べ10,000型の金型製作実績や年間360型以上の修理メンテ実績を元に、共取り型・多数個取り型はもちろん、海外製・移管金型・図面無し金型・老朽金型・焼入れ型・ホットランナー金型などのご相談も承っております。

設計者13名、及び修理・メンテナンス専任の担当者7名が在籍しておりますので、特急対応も可能です。

共取り型の修理・メンテナンス事例

共取り型(セット取り金型)へのランナーチェンジ(ゲート切り替え)の設置

サッシ部品向け共取り型の改造のご相談がありました。

当初、2つの類似形状部品を生産することを想定して製作されたのですが、蓋を開けてみると一方の部品の注文数が圧倒的に多く、効率良く生産できるように金型を改造したいという内容でした。

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共取り型や多数個取り型に関する修理・メンテナンス・改造、もしくは新型製作をご検討の際は、三恵金型工業にお気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者

  • この記事の執筆者
  • 野中啓志(設計課)

    私は兵庫の出身ですが、石川県で新婚生活を始めることになりグループ会社が石川にある、三恵金型工業への就職を決めました。設計に興味はありましたが、未経験。それでも採用し、ゼロから教えてくださった先輩方には感謝しています。設計は実際にやらなければ身につかないので、仕様書に基づく設計は入社直後からやっていました。現在は設計課に籍をおきながら、「多段式射出成形金型」の試作型製作にも関わっています。社運がかかった開発なので、自然と気合が入ります。

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