用語集
更新型
更新型(英語:Renewal Mold)とは、老朽化して寿命を迎えたプラスチック金型を、文字通り従来と全く構造・機構・形状で製作し直した金型です。
プラスチック金型に限らず、プレス金型や鍛造型、ダイカスト型等、金型すべてに共通することですが、どんなに精緻に設計し高硬度材を使用していても、「〇万ショットくらい行くと、金型のクラックやひび割れ、摩耗により成形品品質が悪化する、さらにショット数が増えると使い物にならなくなる」という”金型寿命”があります。
安定して量産を行うため、金型寿命を迎える前にあらかじめ計画的に更新型を製作することをオススメします。
金型寿命は、修理やメンテナンスの頻度により多少前後します。しかしショット数が多くなり、自動車で言えば総走行距離10万kmを超えるような”老朽型”になってくると、修理やメンテナンスにより延命治療するより、更新型を製作した方が安く手間無く済む場合があります。その塩梅については金型メーカーにご相談ください。
なお更新型は、前述の通り、既存型と全く同じ構造・機構・形状の金型を製作し直したものですが、生産性向上やメンテナンス工数低減の目的で、図面・機構に手を加える”金型の改造・修正”を行うケースも少なくありません。
製品・部品の機能性を変えたくない所謂”機能部品”(主として自動車部品)の場合は更新型を製作することが大半ですが、それ以外の場合は、特に最近はモデルチェンジに際して新型製作よりコストを抑える目的で、既存型をそのまま更新するのではなく改造してしまうケースも増えています。
更新型の製作、金型の改造・修正、いずれも製品図・組図・部品図やCADデータなどが必要になりますが、「金型メーカーが廃業してしまい図面が無い」「20~30年前に製作したもので金型データが無いので『対応できない』と断られてしまった」という方もいらっしゃると思います。そういった場合は、既存型(現物)を採寸して図面を起こす、いわゆるリバースエンジニアリングが可能な金型メーカーを探していただければと思います。
①図面データがあり更新型を製作する場合
②図面データがあり金型改造・修正を検討している場合
③図面データが無く更新型を製作する場合
④図面データが無く金型改造・修正を検討している場合
という4パターンがありますが、金型仕様のすり合わせやリバースエンジニアリングにかかる期間を踏まえると、②は①の倍以上、③④は①の3倍以上の納期がかかる可能性もありますので、金型メーカーに確認してみてください。
「プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ」を運営する富山県の金型メーカー三恵金型工業は、図面・データが無い場合のリバースエンジニアリングも含め、更新型の製作や金型の改造・修正のご相談を承っております。
更新型の製作やリバースエンジニアリング、金型の改造・修正をご検討の際は、お気軽にご相談ください。