用語集

成形収縮率

成形収縮率とは、熱可塑性樹脂が、温度変化により膨張・収縮する度合いのことです。

PA樹脂(ポリアミド)やPOM樹脂(ポリアセタール)等の結晶性樹脂は成形収縮率が比較的高く、ABS樹脂やポリスチレン、PC樹脂(ポリカーボネート)といった非結晶性樹脂は成形収縮率が低めです。

主な熱可塑性樹脂の成形収縮率を下表参照。

樹脂材料 結晶性/非結晶性 成形収縮率(%)
ポリエチレン 結晶性樹脂 1.5~4.0
PP樹脂(ポリプロピレン) 結晶性樹脂 1.0~2.5
PBT樹脂(ポリブチレンテレフタラート) 結晶性樹脂 1.8~2.2
PA樹脂(ポリアミド) 結晶性樹脂 1.0~2.2
POM樹脂(ポリアセタール) 結晶性樹脂 1.5~2.5
PPS樹脂 結晶性樹脂 1.1~1.9
ABS樹脂 非結晶性樹脂 0.4~0.6
ポリスチレン 非結晶性樹脂 0.4~0.7
硬質PVC樹脂 非結晶性樹脂 0.2~0.7
PMMA樹脂(アクリル) 非結晶性樹脂 0.2~0.6
PC樹脂(ポリカーボネート) 非結晶性樹脂 0.5~0.7
m-PPE樹脂 非結晶性樹脂 0.5~0.7

成形収縮率が高いと、プラスチック成形において溶融樹脂が冷却・固化する際の寸法変化が大きいため、この寸法変化を見越した金型設計が重要です。

「プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ」を運営する富山県の金型メーカー三恵金型工業は、金型はもちろんのこと、成形収縮率に代表される材料特性や成形プロセスについても熟知したうえで、金型設計・製作を行っております。また、樹脂流動解析ソフトウェア「3DTIMON」を用いた流動解析により、ガスだまりが発生しそうな部位やヒートスポットの予測、金型部品・入れ子の強度計算等を行っています。

プラスチック金型の改造や更新、あるいは既存型の成形不良にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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この記事の執筆者

  • この記事の執筆者
  • 野中啓志(設計課)

    私は兵庫の出身ですが、石川県で新婚生活を始めることになりグループ会社が石川にある、三恵金型工業への就職を決めました。設計に興味はありましたが、未経験。それでも採用し、ゼロから教えてくださった先輩方には感謝しています。設計は実際にやらなければ身につかないので、仕様書に基づく設計は入社直後からやっていました。現在は設計課に籍をおきながら、「多段式射出成形金型」の試作型製作にも関わっています。社運がかかった開発なので、自然と気合が入ります。