用語集

かじり

プラスチック金型のかじり(英語:Mold Biting)とは、金型部品どうしが摩擦によって摩耗(多くの場合スジ状に摩耗)してしまうという金型トラブルです。

なお、かじりは
・アグレッシブ摩耗(ひっかき摩擦):主に高硬度片の混入による摩耗
・凝着摩耗(焼き付き摩耗):主に摩擦熱による摩耗
・腐食摩耗:主にグリスの劣化が原因で、摺動面の防食対策を施していない場合に起こりやすい摩耗
・疲労摩耗:接触の繰り返しによる表面硬化、それによる割れ・亀裂を原因とする摩耗
・フレッティング摩耗(微動摩耗):微細な振動を原因とする摩耗
という5種類があります。

かじりが発生する原因としては、
・金型の経年劣化/摩耗
・抜き勾配が小さい
・スライドコアの摺動部のグリス切れ
・スライドのガイドレールまたはスライド本体の精度不良
・硬度が同じ同質材との接触
・洗浄不足による固化した樹脂材料の付着
など様々なものがあります。

かじりが発生すると、成形品の外観に欠陥が生じ品質低下を招くほか、金型寿命が短くなってしまいます。
かじりを防ぐためには、適切な金型設計と定期的な洗浄・メンテナンスが重要です。また、万が一かじりが発生してしまった際の対処方法としては、
・コーティングや窒化処理による耐摩耗性改善
・金型表面の粗さ改善
・金型部品どうし、キャビコア間のクリアランス見直し
などがあります。

「プラスチック金型 修理・メンテナンスナビ」は、プラスチック金型の修理・メンテナンスをはじめ、洗浄・クリーニング、図面・機構変更を伴う改造・修正、そして設計・製作までワンストップで対応しております。修理・メンテナンスのご依頼は、他社製・海外製のものも含めて年間360型以上お受けしており、ホットランナー金型や多数個取り・共取り型、入れ子点数が100~1,000にも及ぶ複雑形状の金型についても実績がございます。

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  • 野中啓志(設計課)

    私は兵庫の出身ですが、石川県で新婚生活を始めることになりグループ会社が石川にある、三恵金型工業への就職を決めました。設計に興味はありましたが、未経験。それでも採用し、ゼロから教えてくださった先輩方には感謝しています。設計は実際にやらなければ身につかないので、仕様書に基づく設計は入社直後からやっていました。現在は設計課に籍をおきながら、「多段式射出成形金型」の試作型製作にも関わっています。社運がかかった開発なので、自然と気合が入ります。